民主党の国土交通部会(座長・田村謙治衆院議員)は、2011年度国土交通省関係予算の編成に対する緊急提言をまとめた。マニフェストに掲げた公共事業の削減目標を10年度予算で達成したことを踏まえ、「これ以上の削減は必要な社会資本整備だけではなく、今後必要不可欠だと指摘される維持・修繕・更新も的確に行い得なくする」と危機感を表明し、少なくとも前年度とおおむね同額の公共事業予算を確保するよう求めた。
緊急提言は、地域と日本の停滞感や閉塞感を打ち破る上で、「国交省の施策を選択と集中、効率的な予算執行を前提に、さらに改革・進化させ、推進させる必要がある」と強調し、重点分野を明確化した。
この中で、公共事業をめぐっては、マニフェストの削減目標を達成したことや、疲弊した地方経済の状況を踏まえ、少なくとも前年度とおおむね同額の予算を確保し、▽ミッシングリンクの解消▽整備新幹線など高速鉄道網の整備▽産業競争力を強化する港湾整備▽首都圏空港を中心とする空港整備▽早期に効果を発現する治水対策事業―などに取り組むべきとした。
また、住宅関連施策については、地域経済の活性化に加え、雇用・福祉の面でも重要な役割を果たすとして、リフォーム促進を含めて税制・財政両面から支援策を強化するよう求めた。
さらに、マニフェスト関連施策である高速道路の原則無料化に向けた社会実験を継続・拡大することや、交通基本法関連施策を充実させることなどを盛り込んだ。
提供:建通新聞社