国土交通省は、国費ベースで総額4859億円に上る2010年度補正予算案(国交省関係分)の概要を発表した。住宅などの耐震化やインフラの防災対策、森林・林業再生などの「地域活性化」に1109億円、国土ミッシングリンクの解消や都市鉄道整備事業などの推進を含む「社会資本整備」に3434億円、建設業の資金繰り対策や新規事業活動への支援に47億円をそれぞれ計上。このほか、公共事業の契約前倒しに向けたゼロ国債に事業費ベースで2052億円を盛り込んだ。
政府が円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策の柱の一つに位置付けた新成長戦略の推進・加速に当たっては、住宅エコポイントの拡充に10億円を計上(このほかに経済産業省、環境省分が20億円)。海外プロジェクト案件の発掘調査を通じて、建設事業者などの海外展開を支援する費用に2億円を充てた。
地域活性化に向けては、耐震化の合意形成が困難なマンションの耐震診断などを国が直接支援するための費用として160億円を計上。また、多発する集中豪雨など自然災害に対する防災力を強化する事業を834億円で推進していく。森林・林業再生の推進などには101億円、市街地再開発事業や地籍整備の促進には1億円を計上した。
社会資本整備関連では、国土ミッシングリンクの解消などに1296億円、都市鉄道整備工事などの推進に208億円、国際コンテナ戦略港湾のハブ機能強化に47億円、首都圏空港の強化に29億円をそれぞれ充てた。さらに地方公共団体による社会資本整備を推進するため、社会資本整備総合交付金を1854億円追加した。
中小企業対策としては、「地域建設業経営強化融資制度」「下請債権保全支援事業」の延長・拡充に36億円、建設業の新規事業活動への支援に11億円を盛り込んだ。
提供:建通新聞社