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2010/10/22

都市部官民境界基本調査 一般競争30〜40件を11月にかけて公告 国交省土地・水資源局 地籍調査を促進

 一筆ごとの土地の境界や面積などを明確にする地籍調査を促進するため、国土交通省が直轄事業として2010年度から新たに開始する「都市部官民境界基本調査」の委託で、国土交通省土地・水資源局は10年度の業務を30〜40件程度に分け、10月から11月にかけて一般競争入札を順次公告していく予定でいる。
 地籍調査の事業主体である地方公共団体からの要望に基づき、10年度は現在のところ、14都府県にある33市1町内の計約21・7平方`bのエリアを調査する予定だ。地籍調査の進捗率が、全国平均の49%(09年度末現在)と比べ6%と最も遅れている大阪府内の地方公共団体が11市1町と一番多く、面積で全体の約4割を占めている。
 業務の契約に当たり、対象地区の広さによって、複数の市内の地区を一括したり、一つの地区を分割したりする。
 競争参加資格は「役務の提供等」で、等級は案件の規模によって「B・C等級」か「C・D等級」になる見通し。地籍調査の実績や測量技術者の配置などを入札参加条件とする。また調査対象区域を考慮し、応札者の営業所の所在地の地域要件も設定する考え。
 同調査は、権利関係が複雑な街区などを対象に、道路など公有地と民有地の境界調査を国が先行して行い、その後の区市町村による地籍調査を促進するもの。地籍調査の基礎とするため、10年度を初年度とする「第6次国土調査事業10カ年計画」に盛り込んだ国の基本調査の一環。10年間で1250平方`bを調査する。
 業務の主な内容は、現地の塀や境界標、マンホール、電柱などの境界を測量する「現況測量」と、登記所の公図や地積測量図、道路台帳付図などの境界を調べる「復元測量」。復元測量では、境界の位置を、鋲(びょう)やペンキなどを使って現地で表示する作業も行う。
 同調査のための10年度予算は7億円。11年度については11億2000万円を概算要求している。政府の経済対策に地籍整備の促進が盛り込まれため、11年度事業の前倒しもありそうだ。
 10年度に同調査の実施を予定する地区のある地方公共団体は現在のところ次の通り。
 【千葉県】白井市【東京都】三鷹市【神奈川県】横浜市、横須賀市、鎌倉市、伊勢原市、海老名市、厚木市【石川県】白山市【岐阜県】岐阜市【静岡県】静岡市、浜松市【三重県】津市、名張市、鈴鹿市【滋賀県】大津市【京都府】京都市【大阪府】堺市、豊中市、富田林市、八尾市、高石市、箕面市、摂津市、門真市、藤井寺市、枚方市、高槻市、岬町【兵庫県】明石市、宝塚市【和歌山県】和歌山市【島根県】松江市【熊本県】熊本市

提供:建通新聞社