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中央ニュース

2010/10/12

経済対策 国交省の公共事業関係費は4500億円程度に ゼロ国債工事は別途2000億円

 政府が8日に閣議決定した経済対策には、国土交通省関連施策として、国土ミッシングリンクの解消や都市鉄道整備事業の推進、国際コンテナ戦略港湾のハブ機能強化など、社会資本整備の充実に関するものが数多く盛り込まれた。また、地域活性化に向けて、住宅耐震化の加速や河川・砂防、下水道、海岸などの防災対策、市街地再開発・地籍整備の促進、森林・林業の再生などにも取り組んでいく。こうした施策を実現するために必要な予算は総額4800億円程度を見込んでいる。このうち、公共事業関係費は4500億円程度となり、このほかゼロ国債工事に約2000億円を充てる方針だ。
 政府が経済対策の柱の一つに位置付けた新成長戦略の推進・加速に当たっては、住宅エコポイントの対象を、住宅用太陽熱利用システム、節水型便器、高断熱浴槽に拡大する。また、オフィスビルの省エネ改修に対する費用補助も行う。海外プロジェクト案件の発掘調査を通じて、建設事業者などの海外展開を支援することも想定している。
 地域活性化に向けては、耐震化の合意形成が困難なマンションの耐震診断などを国が直接支援するほか、民間賃貸住宅の耐震化やバリアフリー化の費用を助成する。多発する集中豪雨など自然災害に対する防災力を強化する各種事業も推進。市街地再開発事業や地籍整備を通じた市街地の再生・再構築、地域材を活用した木造長期優良住宅の普及促進などにも取り組む構えだ。
 社会資本整備関連では、国土ミッシングリンクの解消や、地域連携に役立つ幹線道路ネットワークの整備、渋滞対策など交通の円滑化、橋梁など道路構造物の保全対策、道路の法面対策や無電柱化を進める。また、都市鉄道の新線整備工事や、国際コンテナ戦略港湾(阪神港・京浜港)のハブ機能強化に向けたインフラ整備を前倒しして実施する。地方公共団体による社会資本整備を推進するため、社会資本整備総合交付金を追加する。
 施策ごとの予算額や公共事業の実施個所は補正予算の編成過程の中で詰めていく。国交省分を含めた政府全体の公共事業関係費は約5000億円で、これに本年度中に契約するゼロ国債工事約2000億円と内閣府の地域活性化交付金約3000億円を合わせると、総額で1兆円程度となる見込みだ。

提供:建通新聞社