日本建設業団体連合会(日建連、野村哲也会長)は28日、法人会員48社の8月の受注実績調査結果(速報)を発表した。それによると、受注総額は6430億円で前年同月と比べて2・9%増え、3カ月ぶりにプラスに転じた。前年同月に25・8%減少しており、その反動増が主な要因。08年以前で見ると、1977年8月の6300億円に次ぐ低水準だった。
国内受注の総額は6330億円で前年同月と比べて8・8%増加した。
このうち、民間からの受注は4890億円で13・5%増加した。製造業からの受注は870億円で12・6%減。一方、非製造業からの受注は4020億円でプラス21・4%だった。
業種別に見ると、製造業は「電気機械」「輸送用機械」「その他機械」「食品」「鉄鋼」などが増加。一方、「化学」「繊維」は減少した。増加した業種は、いずれも前年同月の反動増が主な要因。
非製造業は、最もウエートが高い「不動産業」が、1634億円で70・2%増。次いで額が多い「サービス業」も1184億円で40・9%増えた。不動産業は、大規模要因によって4カ月連続のプラス。ただ、1991年以降の過去20年間では、下から8番目の水準にとどまった。こうした状況について、日建連の担当者は「(反動増や大規模要因など)月によってプラス要因が異なり、回復基調にあるとは言えない」と話している。サービス業は、マンション系の大規模物件の受注がプラスに貢献した。だが、不動産業と同様に水準は低く、過去20年間では、下から2番目の額だった。
官公庁からの受注は、1366億円で6・6%減。国の機関からの受注は85億円で9・9%減った。8月としては、07年に次いで過去2番目に低い水準だった。独立行政法人と政府関連企業からの受注は増えたが、国直轄工事の受注の落ち込みが大きく響いた。
地方の機関からの受注は520億円で0・3%のプラス。特に、上下水道関係を中心に地方公営企業からの受注(177億円、105・3%増)が大きく伸びた。
海外受注は91億円で178・2%減。
4―8月期の累計は、総額2兆7115億円で前年同期比6・8%増。1977年の2兆5700億円に次ぐ低い水準となっている。民間は1%減、官公庁は20・6%減だった。
提供:建通新聞社