トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2010/09/10

再生砕石へのアスベスト混入問題で対応策 国交省など関係省庁

 国土交通・環境・厚生労働の3省は9日、建設廃材を利用した「再生砕石」にアスベストが混入していた問題への対応策をまとめた。分別解体の徹底や廃棄物の適正処理、解体作業時の暴露防止対策の徹底などを3省合同で関係団体に通知するとともに、解体現場への合同パトロールの実施や、産業廃棄物の破砕施設に対する立入検査の実施とその結果報告などを都道府県・政令市に依頼した。
 今回の対応策は、埼玉県内などで再生砕石にアスベストが含まれている事例が発覚したことを踏まえたもの。原因は特定されていないが、廃材の分別や処理が徹底されていなかった可能性が指摘されている。
 こうした問題の再発防止に向けて3省は、「再生砕石への石綿含有産業廃棄物の混入防止等の徹底」と題した通知を、建設関係団体や産業廃棄物関係団体などに9日付で送付した。
 この中では解体工事業者に対して、建設リサイクル法に基づく特定建設資材廃棄物に、石綿含有産業廃棄物などの有害物質を付着・混入させないため分別解体の徹底を要請。元請けには、石綿含有産業廃棄物が再生砕石などリサイクル製品に混入することがないよう、廃棄物処理法に基づく保管基準・処理基準を順守するとともに、下請けにも徹底させることを求めた。産業廃棄物処理業者にも、廃棄物処理法に基づく処理基準の順守を呼び掛けた。
 3省は建設リサイクル法や廃棄物処理法、大気汚染防止法、労働安全衛生法などアスベスト関係法令に沿った手続きを解説するパンフレットを作成し、法令に基づく解体や処分の徹底を促していくことも決めた。
 また、国交省と環境省は都道府県・政令市に対し、9月から10月にかけて建設部局と環境部局による解体現場への合同パトロールを実施することを要請。環境省は独自に、産業廃棄物の破砕施設に対する立入検査の実施と11月中旬までの結果報告を都道府県・政令市に依頼したほか、一部の破砕施設とアスベストが混入した再生砕石の使用場所を対象に、大気環境モニタリングを実施する方針だ。

提供:建通新聞社