2010/08/06
10年度公共事業労務費調査の実施方針 日払い賃金調整の年金受給者を除外 計38職種は9月分の賃金支払い実態を調査 国交省
国土交通省は、公共工事設計労務単価を算出する際の基礎となる2010年度公共事業労務費調査の実施方針を固めた。10月に予定する調査では、老齢厚生年金などの受給者のうち日払い賃金を調整している労働者を調査対象から除外する。造園工や法面工など計38職種については、標本数を確保する観点から従来の10月分に加え9月分の賃金支払い実態も調べる。調査結果を踏まえ、11年度の公共工事設計労務単価を11年3月に発表する方針だ。
今回、年金受給に伴って日払い賃金を調整している労働者を除外することにしたのは、年金の所得制限に抵触しないよう賃金調整をしている標本を含めると、労務賃金の正確な実態が把握できない恐れがあるためだ。ただし、労働時間数や労働日数を減らして賃金月額を調整している労働者は対象に含める。
また、公共事業の大幅な削減により十分な標本が確保できない可能性がある職種については、これまで調査対象としてきた10月には対象工事に従事せず、9月に従事していた労働者の賃金支払い実態も調査する。
さらに09年度調査で約4割の標本が棄却されている実態を踏まえ、調査対象となった元請け、下請けには、▽就業規則や賃金台帳など、所定労働時間が法定の週40時間以内であることを確認できる書類▽銀行の振り込み領収書など、賃金支払いが確認できる書類▽作業日報、出勤簿など、従事した作業内容や就労の実態などが確認できる書類―を審査時に提示できるよう求める。
公共工事設計労務単価をめぐっては、10年度の全国平均単価(51職種)が前年度比1・5%減の1万6479円と、97年のピーク時に比べ約7割の水準に下がっている。
9月調査の対象職種は次の通り。
▽造園工▽法面工▽石工▽ブロック工▽鉄骨工▽塗装工▽溶接工▽潜かん工▽潜かん世話役▽さく岩工▽トンネル特殊工▽トンネル作業員▽トンネル世話役▽橋りょう特殊工▽橋りょう塗装工▽橋りょう世話役▽高級船員▽普通船員▽潜水士▽潜水世話員▽潜水送気員▽山林砂防工▽軌道工▽大工▽左官▽はつり工▽防水工▽板金工▽タイル工▽サッシ工▽屋根ふき工▽内装工▽ガラス工▽建具工▽ダクト工▽保温工▽建築ブロック工▽設備機械工