2010/08/02
日本の建築ストックは74億平方b、国交省が初の統計
日本の建築物の全体は2010年1月1日現在、延べ床面積74億3249万平方bで、73%を住宅が占めている。日本の建築ストックの現状を、国土交通省が初めて公的な統計として試算した。木造が全体の52%を占めており、住宅では69%に上っている。また、全体の65%が1981年以降に建てられた新耐震基準の建物だった。ストック型社会に転換していく中で、今後のリフォーム市場規模の予測や、建物の取り壊しに伴う廃棄物発生量の推計など、さまざまな場面で活用する。同省のホームページでも見ることができる。
建物を用途、構造、完成年などに分け、床面積の総量を推計したもの。都道府県別にもなっている。
非住宅では非木造の割合が大きく、92%を占めた。また、非住宅の約32%が事務所・店舗、44%が工場・倉庫だった。
また、築30年以上の木造住宅が割合が多いのは、沖縄県(木造住宅の約67%)や島根県(同52%)、山口県(同50%)。少ないのは埼玉県(同30%)、千葉県(同31%)、神奈川県(同32%)だった。
国交省では同統計を、建築ストックに関する施策の立案や評価を適切に実施するための基礎情報としていく。5年ごとに国が実施する住宅・土地統計調査と法人建物調査などからストック量を推計し、建築着工統計などで補完する。今後、毎年1月1日の状況を4月ごろ公表する。さらに、住宅・土地統計調査などに合わせ、都道府県別の統計を5年ごとにまとめる。
今回の試算では、08年の法人建物調査がまだ公表されていないため、同調査については03年のデータを使用した。今後発表される同調査結果を反映した正式な統計値をあらためて年内に公表する予定。
また、既存の統計調査事業の対象でない、ガス・電気・鉄道事業用地の建物や、地方公共団体の病院、個人所有の非住宅建築物など、算入していない建物もある。これらについては今後、関係者に協力を求めデータを拡充する考え。
調査手法は、09年11月に「建築物ストック統計検討会」(座長・小松幸夫早大理工学術院教授)を設置し検討を進めた。