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2010/07/28

総合評価の2段階選抜方式と事後審査方式を試行  国土交通省

 国土交通省は、総合評価方式で2段階選抜方式と事後審査方式を試行することを決めた。受発注者間の事務の効率化効果などを分析・評価する。27日の「直轄事業における公共事業の品質確保の促進に関する懇談会」の中で、2010年度の実施方針として示した。
 2段階選抜方式は、技術提案を求める標準的な案件のうち、道路改良や築堤・護岸、アスファルト舗装など、提案者が多い工種を対象に5件程度試行する。提出資料を基に技術能力を審査して提案者を絞り込んだ上で、さらに詳しい資料の提出を求めて落札者を決定する。2段階目の絞り込みでは、企業の施工能力の確認や簡易な技術提案を求める考えだ。
 事後審査方式も5件程度で試行する。施工実績などで競争参加資格を確認して入札を行い、予定価格内で応札した企業のみを対象として技術的能力を審査する。
 10年度には、多様な発注方式の導入の一環として、維持管理付き工事発注方式も試行する。ダムや堰の放流施設制御装置の更新工事が対象。
 5年間の国庫債務負担行為として試行する。1〜2年目は工事期間として、機器の製作や据え付け・調整工事を行い、出来高を確認し完成工事部分の引渡し検査を実施。3〜5年目は維持管理期間として、定期・臨時点検を毎年行い、最終年に完成検査を済ませて引き渡す。工事と維持管理を一体的に発注することで、民間企業の専門的な技術力と経験を一層活用することがねらいだ。
 併せて、コンソーシアムや第3者技術者といった、海外で一般的な手法の導入も検討する。国内で導入することで、建設業の海外展開を支援につなげる。
 コンソーシアム方式は、建設コンサルタントと施工会社が協定書を交わして共同体を形成し、事業を進める。コンサルタントと施工者の責任分担や、契約書の形式などの課題があるものの、橋梁や設備などの詳細設計付きの工事発注で導入が可能かどうか検討する。
 第3者技術者は、国際コンサルティング・エンジニヤ連盟の土木工事標準約款に準拠。受発注者以外の立場の技術者の役割と瑕疵(かし)担保、選定方法などの課題を精査する。

提供:建通新聞社