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2010/07/14

都道府県の9割が入札契約制度データベースの構築に賛成 全国知事会の公共調達に関する全国事例調査報告書

 全国知事会は、公共調達に関する全国事例調査報告書をまとめた。低入札対策や下請け保護対策、地元企業支援策といった入札契約制度をめぐる各都道府県の先駆的な改善事例を盛り込むとともに、一者応札への対応状況などを調べた。都道府県に対するアンケート調査では、9割以上が入札契約制度の全国データベースを構築する必要性を感じていることも分かった。
 この調査は、入札契約制度に関する都道府県の先駆的な取り組みや課題への対応状況を共有することが狙い。今回は10年3月から4月にかけて調査し、全都道府県から回答を得た。
 低入札対策の先駆的な事例としては、▽低入札受注を繰り返す業者に対して指名差し控えを行うペナルティーを強化している(秋田県)▽低入札落札工事での現場代理人と主任技術者(監理技術者)の兼務禁止(岩手県)▽調査基準価格、最低制限価格を下回る入札を年度内に3回以上行った業者は3カ月間入札から排除する(愛媛県)―などを示した。
 また下請け保護対策をめぐっては、▽一定規模以上の工事には下請け要件付き入札を義務付けている(長野県)▽下請け代金未払い者の入札参加規制―などを取り上げた。
 地元企業支援策については、▽建設工事関連業務委託での共同設計方式の試行(山形県)▽災害対応や除雪などに協力する企業を「地域貢献地元企業」に登録し、これらに対して一定額未満の維持補修系工事を指名競争入札で実施(新潟県)▽公共工事の実績が無い企業に対し、民間工事の施工実績や県発注工事の一次下請け実績を施工実績に認める入札を試行(埼玉県)―などを挙げた。
 アンケートでは、一者入札への対応方法を調べた。それによると、31団体が「1者でも有効」と回答し、「一部の入札を除いて1者でも有効」の5団体を合わせると、約8割が基本的に1者入札を認めていた。
 入札契約制度に関する全国データベース構築の賛否も尋ねたところ、92%に当たる43団体が「賛成」と答え、「反対」「その他」は4団体にとどまった。ただし、「賛成」のうち23団体は「データ更新の事務負担やコスト負担を十分に検討する必要がある」としている。

提供:建通新聞社