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2010/07/06

住生活基本計画(全国計画)見直しへ 既存住宅・リフォーム市場の整備など検討 国交省

 国土交通省は、住生活基本法に基づく住生活基本計画(全国計画)の見直しに向けた検討に乗り出した。5日に社会資本整備審議会住宅宅地分科会を開き、既存住宅やリフォーム市場の整備、エコ住宅の普及、民間の知恵と資金の活用といった政策課題を踏まえ、新たな計画の方向性について意見を交わした。今後、分科会での審議などを重ねた上で、2011年3月の閣議決定を目指す。
 住生活基本計画(全国計画)は、06年に制定された住生活基本法に基づき、住宅の質の向上に関する基本方針などを定めるもの。06年度から15年度までの10年間に達成すべき数値目標(成果目標)などを設定している。計画では「今後の社会経済情勢の変化及び施策の効果に対する評価を踏まえて、おおむね5年後に見直し、所要の変更を行う」ことになっており、本年度が中間年に当たる。このため国交省は住宅宅地分科会で見直しを検討していくことにした。
 計画の見直しに当たっては、▽人口減少局面に入り、世帯数も15年にはピークを迎える▽30年には単身世帯が全世帯の約4割を占める▽大都市圏で高齢化が急速に進む▽09年度の住宅着工戸数は77万5000戸と64年以来の低水準を記録▽住宅ストック数は総世帯数を15%上回り、量的には充足している―といった社会経済の現状を前提に検討を進める。
 また、現行計画の成果指標の達成状況を見ると、新耐震基準を満たす住宅ストックの割合が、目標の90%に対して79%(08年度時点)▽重点密集市街地で最低限の防火安全性が確保される市街地の割合が、目標のおおむね100%に対して約35%(07年度時点)―などと、取り組みが進んでいない項目がある。このため、こうした目標の達成に向けた取り組みの在り方も検討課題となりそうだ。

提供:建通新聞社