建設業情報管理センター(CIIC、松井邦彦理事長)は、経営事項審査を受けた建設業約7万500社の経営動向を分析した「建設業の経営分析(2008年度)」を発表した。それによると、1社当たりの平均売上高は4億1860万4000円で、前年度に比べ5・4%減少。売上高に占める経常利益の割合を示す売上高経常利益率の平均値も前年度比0・93ポイント減のマイナス(▼)1・7%となり、赤字幅が拡大した。特に中小企業の落ち込みが目立った。
CIICに経営状況分析申請があった専業の建設業者7万5298社の08年度決算を基に経営状況を業種や規模(資本金階層)に区分して分析した。
1社当たりの平均売上高を業種別に見ると、土木建築が11億2647万円、土木が2億5908万5000円、建築が6億0137万5000円、設備が3億9660万2000円、職別が3億8132万円で、職別を除く4業種で前年度比マイナスとなった。規模別でもすべての階層で減少した。
業種別の売上高経常利益率は、土木建築が▼1・84%、土木が▼2・82%、建築が▼1・82%、設備が▼0・33%、職別が▼1・42%となり、いずれも前年度に比べマイナス幅が拡大。規模別では、中小企業が▼1・71%の赤字だったの対し、大企業は2・4%の黒字で、規模による経営状況の違いが浮き彫りとなった。
1社平均の売上高に占める売上原価の割合は前年度比0・19ポイント減の86・64%。工事原価の内訳を見ると、材料費や経費が前年度の割合を上回ったのに対し、労務費や外注費はその割合を落とした。
提供:建通新聞社