2009年度の1年間に全国の建設会社が受注した工事の総額は前年度に比べ13%減の41兆6866億円と、集計を始めた2000年度以降で過去最低の水準になったことが国土交通省のまとめで分かった。下げ幅も過去最大を記録した。公共機関からの受注が前倒し発注の息切れで下半期から減速したことに加え、景気の先行きの不透明さによって民間企業が設備投資を手控えたことが大きく響いたものとみられる。
同省が12日に発表した建設工事受注動態調査報告によると、09年度の建設工事受注高は前年度比13%減の41兆6866億円。このうち元請受注高は10%減の29兆6009億円、下請受注高は19・7%減の12兆0857億円だった。また業種別では、総合工事業が9・6%減の28兆3560億円、職別工事業が19%減の3兆6943億円、設備工事業が19・9%減の9兆6363億円となった。
元請受注の内訳を発注者別に見ると、公共機関が3・1%減の10兆0181億円、民間などが13・2%減の19兆5828億円。工事種類別では、土木工事が8・9%減の9兆8141億円、設備工事を含む建築工事が9・8%減の17兆2882億円、機械装置等工事が15・1%減の2兆4986億円といずれも減少した。
公共機関からの受注工事(1件500万円以上)の発注機関別の内訳は、国や独立行政法人、政府関連企業などの「国の機関」が7・9%減の3兆6667億円だったのに対し、都道府県や市区町村などの「地方の機関」は1・8%増の5兆8665億円と増えた。09年度の実績を四半期別に見ると、前倒し発注の影響で第1四半期は前年同期比2・7%増、第2四半期は6・7%増となったが、第3四半期は8・4%減、第4四半期は10・7%減と下落した。
民間などからの受注のうち、大型の建築・設備工事(1件5億円以上)の受注額は17・1%減の5兆2108億円。発注者別では、製造業(43・9%減)や卸売・小売業(42・5%減)などの落ち込みが目立った。
提供:建通新聞社