2009年度末時点の建設業許可業者数は、前年度に比べ0・8%増の51万3196業者となったことが国土交通省の調べで分かった。09年度中に新たに建設業許可を取得した業者数は6・8%増の2万0192業者と増え、特に個人や資本金が少ない層での増加が目立った。09年度に更新期を迎えた業者が少なく、失効件数が減少したことが増加の主な要因だが、建設業の経営形態が小規模化・細分化している実態も浮かび上がった。
建設業許可業者の総数は1999年度末のピーク時(60万0980業者)と比べると14・6%減少したことになる。
前年度からの推移を許可区分別で見ると、特定建設業許可が1・6%減の4万6661業者だったのに対し、一般建設業許可は0・9%増の49万0895業者と増えた(1社が特定と一般の両方を取得している場合があるため、許可業者総数とは一致しない)。
都道府県別許可業者数では、神奈川県(前年度比2・2%増)や埼玉県(1・9%増)、大阪府(1・9%増)、愛知県(1・7%増)、静岡県(1・7%増)など都市部で増加する一方、鳥取県(1・6%減)や青森県(1・1%減)、奈良県(1%減)、島根県(0・9%減)など主に地方部での減少が目立った。資本金階層別では、資本金200万円未満の法人が31・7%増と大幅に増えた。
業種別許可(28業種)の延べ事業者数は1・2%増の144万5501業者。取得業者数が増加した許可業種は、熱絶縁(6・3%増)、鉄筋(5・7%増)、ガラス(5・2%増)、防水(4・9%増)など22業種。逆に取得事業者が減少した許可業種は、清掃施設(2・6%減)、造園(2・3%減)、さく井(1・4%減)、土木(1・1%減)など6業種だった。
09年度中に新規に建設業許可を取得した事業者は、前年度比6・8%増の2万0192業者。これを資本金階層別に見ると、一般建設業許可では個人が26・6%増、200万円未満が16・3%増、200万円以上300万円未満が28・2%増などと規模の小さな事業者の参入が際立った。また、業種別では鉄筋の36%増、板金の14・4%増、機械器具設置の14・1%増、防水の12%増などの伸びが目立った。
一方、09年度中に建設業許可が失効した事業者は6・3%減の1万6170業者で、内訳は廃業届を出した事業者が1・5%減の1万0106業者、許可更新手続きを行わず自動的に失効した事業者が13・3%減の6064業者だった。
建設業以外の営業も行っている、いわゆる兼業業者の数は1・2%増の12万7387業者となった。
建設業許可業者数をめぐっては、2004年12月を境に更新期間を3年から5年に変更した影響で、年度によって更新業者数に大きな差が生じており、これが失効件数などに影響を与えている。
提供:建通新聞社