入札契約制度改革の一環として国土交通省は、建設業の法令順守に対する取り組みを充実させるよう28日付で都道府県に要請した。具体的には、工事請負契約の書面契約促進に向けた指導の強化や、経営事項審査(経審)での不正行為に対する取り締まり、適正な代金支払いに向けた立入検査の実施といった取り組みを地方整備局などと連携して展開することを求めた。
国交省が本年3月に公表した入札契約制度改革は、▽総合評価方式の透明性・競争性確保▽企業の適切な経営評価▽下請企業対策―を柱に構成しており、この中では都道府県との連携強化の必要性がうたわれている。
特に現場レベルでの不正やしわ寄せを防ぐためには、許可業者の大半の指導監督権限を持つ都道府県との密接な連携が不可欠なことから、国交省が法令順守に対する取り組みをあらためて呼び掛けることにした。
要請事項の中で、書面による契約の促進に向けては、工事請負契約の基本として書面契約の指導を強化するよう求めた。経審制度の改善に当たり、一括下請負や現場技術者の配置義務違反といった現場レベルでの不正行為に対する取り締まりや、経審の虚偽申請に対するチェック体制の強化も要請。下請けいじめの排除や適正な代金支払いなどに対する立入検査の実施、建設業者などに対する研修会の開催に加え、今秋にも創設する「建設業取引適正化推進月間」(仮称)関連事業の実施なども求めた。
提供:建通新聞社