国土交通省の中央建設業審議会(会長・平井宜雄専修大学法科大学院教授)は22日に総会を開き、経営事項審査制度の審査基準や標準請負契約約款の見直しに向けた議論に着手した。この中で、全国建設業協会会長の淺沼健一委員は経審での技術者評価の在り方について「退職後に継続雇用した技術者を評価する趣旨には賛同するが、手続きが煩雑にならないようにしてほしい」と要望。建設産業専門団体連合会会長の才賀清二郎委員は「ダンピング受注を排除する観点から、完工高のウエートをもっと減らすべきだ」と訴えた。
全国中小建設業協会副会長の小野徹委員は「全国的に一般競争入札が導入された結果、公共事業への安易な参入が可能となっているのではないか」との認識を示した上で、「中建審の基本的な考え方として、経審を新たに受ける業者の審査に当たっては、実績や技術・経営の内容を慎重に審査するシステムが必要だ」と指摘した。
公共工事標準請負契約約款で規定されている現場代理人の常駐義務をめぐっては、「競争が激化する中で、現場代理人の常駐がコスト増につながっている側面がある。工事の質や賃金などを含め根源的な部分をしっかりと議論すべき」(明治大学教授・園田眞理子委員)との発言や、「公共施設の整備には安全・安心を確保することが重要。工事工程の中で必ず常駐すべき部分を残すことも考えるべき」(三鷹市長・清原慶子委員)といった意見が出た。
提供:建通新聞社