国土交通省が18日に公表した2010年地価公示(1月1日現在)によると、09年1月から1年間の地価の動きは、全国平均で、住宅地がマイナス4・2%、商業地がマイナス6・1%と、いずれも2年連続で下落した。全用途でみた上昇地点は、前回からの調査継続地点2万7410地点のうちわずか7地点にとどまり、1970年の調査開始以来、過去最低数を記録した。
地域別に見ると、三大都市圏の平均価格は住宅地がマイナス4・5%、商業地がマイナス7・1%と、いずれも前回に比べ下落幅が広がった。上昇地点は名古屋圏の5地点。すべて名古屋市緑区内で、11年3月開業予定の地下鉄桜通線新駅付近だった。東京圏と大阪圏は上昇地点がなかった。
今回の公示地価と09年7月1日時点の都道府県地価調査と照らし合わせて、1年間の前半と後半の価格動向を比較してみると、三大都市圏の下落幅は前半よりも後半の方が縮小傾向を示した。
地方圏の平均価格は住宅地がマイナス3・8%、商業地がマイナス5・3%。上昇地点は2地点で、ともに静岡県駿東郡長泉町内だった。新幹線駅や高速道路のインターチェンジなど恵まれた交通環境を背景に、各種企業の立地が相次いでいることが要因とみられる。
地価公示は一般の土地取引価格に指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格の算定基準とすることが狙い。今回は全国の標準地点2万7804地点を対象に、10年1月1日現在の価格を算出した。
提供:建通新聞社