国が法令で地方公共団体の自治事務を制限している「義務付け・枠付け」の見直しなどにより、地域主権改革を総合的・計画的に推進することを目指した「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」が、5日に閣議決定した。道路法の道路構造基準を自治体の条例に委任するなど、関係する41法律の97条項を一括して改正する。
義務付け・枠付けの見直しは、2009年10月の政府・地方分権改革推進委員会の第3次勧告に基づいて進めている。勧告では、約4000ある「義務付け・枠付け」条項のうち、▽施設・公物設置管理の基準▽協議、同意・認可・承認▽計画などの策定・手続き―に関係するとともに、地方公共団体が自主的に定められない892条項の見直しを求めている。
今回の法案では、892条項のうち全国知事会など地方側の要望が強かった条項を中心に見直す。具体的には、「児童福祉施設の設備・運営に関する基準」「公営施設の整備基準・収入基準」「都道府県道・市町村道の構造の技術的基準」―の条例への委任など。
施行は、3段階に分けて行う。直ちに実施できる事項は公布日に施行。政省令などの整備が必要な事項は公布日から3カ月後。地方公共団体の条例整備や事業年度単位の施行が必要な事項は11年度から施行する。
3次勧告で見直しを求めた義務付け・枠付け条項のうち、今回の法案の対象にならなかったものは、今夏に策定する地域主権戦略大綱(仮称)に盛り込む。その上で、11年の通常国会に一括法案を提出して見直す計画だ。
法案ではこのほか、首相が議長となり、関係閣僚と有識者で構成する「地域主権戦略会議」を法定化した。
また、改革をさらに進める観点から、施行後3年以内に見直すことも規定している。
提供:建通新聞社