国土交通省は、直轄事業の調査・設計業務の低入札価格調査基準価格を見直すことを決めた。最新の業務コスト調査の分析結果を反映させ、間接経費の算定割合を増やす方向で算定式を改める。これによって、土木コンサルタント業務の調査基準価格は平均で70%から75%、測量業務は74%から78%、地質調査業務は81%から82%へと高まることになる。4月1日以降に公告される1000万円以上の業務を対象に適用する。
低入札価格調査基準価格制度は、一定の基準価格を下回る応札があった場合に入札価格の内訳書などの提出を求め、履行の可否を判断する仕組み。直轄の調査・設計業務では07年度から本格導入されている。
国交省が最新(08年度)の業務コスト調査の結果を分析したところ、プロポーザル方式や総合評価方式の導入拡大を背景に、技術資料の作成などに要する間接経費の負担割合が増大していることが判明した。このため、こうした実態を反映させる方向で算定式を見直すことにした。算定式の改定は調査・設計業務で同制度を本格導入してから初めてとなる。
調査基準価格は業種によって算定手法が異なるが、今回はいずれも主に間接経費の算定割合を増やす。ただし、地質調査業務の間接調査費は、算定割合の根拠としている工事共通仮設費の基準が見直されたため、これに合わせて満額から90%に割合を引き下げる(解析等調査業務費と諸経費の算定割合は増やす)。
業種ごとの改定点は次の通り。
▽測量業務―諸経費額の算定割合を30%から40%に変更▽建設コンサルタント業務(建築関係))―技術料等経費と諸経費の算定割合を50%から60%に変更▽同(土木関係)―技術経費と諸経費の算定割合を50%から60%に変更▽地質調査業務―間接調査費の算定割合を100%から90%、解析等調査業務費を70%から75%、諸経費を30%から40%に変更▽補償関係コンサルタント―技術経費と諸経費額を50%から60%に変更
提供:建通新聞社