国土交通省は年度末の資金繰り対策として、保証事業会社の金融保証事業を活用した「ゼロ債金融保証」を実施することを決めた。ゼロ国債など債務負担行為で2009年度中に契約する工事請負代金の前払金相当分が年度内に受け取れる仕組み。10日付で建設業団体などにあてて制度の周知を要請した。
09年度第2次補正予算では、発注の平準化を目的に政府全体で約3000億円(うち国交省分は約2500億円)のゼロ国債を設定した。多くの都道府県や市区町村でもゼロ県債やゼロ市債などが計上されている。
ただし、債務負担行為に基づく工事は、年度内の契約が可能とはなるものの、費用支出は翌年度でなければ許されない。このため、建設業は年度末に工事を受注しても、資金繰りに苦しむケースが多かった。
今回の措置は、保証事業会社の金融保証事業を活用して、建設業の資金繰りを円滑化させるため、前年度に引き続いて実施する。具体的には、前払金の保証を予定する保証事業会社が前払金相当額を限度として、金融機関に100%の金融保証を行う。これによって、金融機関の貸し出しリスクをなくなり、建設業が融資を受けやすくなるという。
対象となる工事は、ゼロ国債、ゼロ県債、ゼロ市債などに基づく工事。ただし、低入札価格調査の対象となったものは除外する。
この仕組みを利用するには保証料や利息が必要で、国交省の試算によると、請負金額が1億円の工事を契約した建設業が1000万円の融資を・1カ月間希望する場合、保証料が約9000円、利息が約2万1000円となる計算だ。
提供:建通新聞社<