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2010/02/04

工事進行基準に対応 建設業者が提出する財務諸表を見直しへ 国交省が建設業法関係省令・告示を改正

 国土交通省は、企業会計基準などの見直しに合わせた建設業法の改正省令・告示を4月1日から施行する。会計年度をまたぐ工事の会計処理手法が、原則として工事進行基準に変更されたことを踏まえ、建設業者が決算期ごとに提出する財務諸表の勘定科目の定義を変更。また、財務諸表の作成に当たり、実質的に割賦販売と見なされるリース取り引きを売買取り引きを同様に扱うことや、金融商品・賃貸不動産を時価評価することも明確化する。
 建設業者が許可行政庁に提出する財務諸表は、会社法や会社計算規則、企業会計基準などに準拠して、建設業法の省令などで規定されている。今回、会社計算規則や企業会計基準などが改定され、2010年度以降に提出する株式会社の計算書類の作成方法が変更となったため、建設業者が作成する財務諸表の様式も見直すことにした。
 工事進行基準は、工事の進ちょく状況に応じて売り上げなどを計上する会計基準。「工事契約に関する会計基準」によって、工事収益総額や工事原価総額、決算日の工事進ちょく度を合理的に見積もることができる工事(工期1年以上、金額10億円以上)は、この基準を適用することになった。このため、建設業法上の財務諸表の勘定科目を会計基準に沿ったものに改める。
 また、「リース取り引きに関する会計基準」の改正を踏まえ、貸借対照表に勘定科目として「リース資産」「リース債務」を追加。これによって、実質的に割賦販売と同一視できるリース取り引きが貸借対照表で把握できるようにする。
 さらに、価格変動リスクの大きい金融商品と賃貸不動産について、保有状況や時価評価を記載する欄を追加する。
 こうした一連の措置は、原則として10年4月1日以降に提出する書類に適用する。

提供:建通新聞社