緊急経済対策の裏付けとなる総額7兆4286億円の2009年度第2次補正予算が28日の参議院本会議で可決、成立した。国土交通省関係分は5145億円で、住宅版エコポイント制度の創設や優良住宅取得支援制度(フラット35S)の金利引き下げといった住宅市場の活性化策に加え、下請けなどの連鎖倒産防止に向けた「下請債権保全支援事業」(仮称)などに充てる。また、内閣府は地方のインフラ整備に活用できる「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」に5000億円を計上した。補正予算の成立を受けて、国会では10年度予算案の審議が本格化する。
住宅版エコポイント制度は、一定の環境性能を持つ住宅を新築すれば、1戸当たり30万円相当の商品券や商品などに交換できる30万ポイントを与えるというもの。エコリフォームに対しても30万ポイントを上限にポイントを付与する。経済産業省と環境省の計上分を合わせ1000億円を計上した。3月上旬から申請を受け付ける。
フラット35Sは、最長35年の長期固定金利住宅ローン「フラット35」を申し込んだ人のうち、取得住宅が省エネルギー性、耐震性など四つの基準のいずれかを満たす場合に、当初10年間の融資金利を0・3%優遇する仕組み。今回、金利引き下げ幅を時限的に1・0%に拡大するため、4000億円を計上した。融資額3000万円、償還期間30年、引き下げ前の融資金利2・81%(09年12月の平均金利)という標準モデルで試算すると、通常金利に比べ返済総額が300万円以上軽減されるという。
下請債権保全支援事業は、下請けなどが持つ売掛債権の支払いについて、国がファクタリング(債権買取)会社に保証料の一部を助成するとともに、元請けが倒産した場合でも下請代金などの債権を保全する仕組みを想定しており、47億円の予算を確保した。同事業に参加するファクタリング会社を募った上で、3月中に運用を始める見込みだ。
「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」は、地方の裁量を生かして、橋梁の補修や電線の地中化、都市部の緑化、森林の路網整備などを進めていくための措置。緊急経済対策という観点から、交付対象は10年1月1日以降に地方公共団体の予算に計上された事業に限定する。
提供:建通新聞社<