国土交通省は、高速道路の整備手法や料金体系を抜本的に見直すための検討に着手する。前原誠司国土交通相をトップとし、外部有識者らで構成する検討組織を新たに設け、この中で道路整備などの在り方を幅広く話し合う。高速道路の建設・管理運営を担う各高速道路会社や、高速道路の施設を保有し旧道路関係四公団から引き継いだ債務を返済している「日本高速道路保有・債務返済機構会社」の取り扱いも焦点となりそうだ。前原国交相が29日の会見でこうした考えを表明した。
前原国交相は会見の中で「高速道路の整備をどこまで、どういった方法でやるのかなどを考えていかなければならない」「鉄道やフェリーといった他の交通機関への影響に配慮しながら総合的な交通体系として高速道路の料金設定を考えていくべき」などと話し、検討組織を設置する意義を強調した。
また、道路公団の民営化に伴って道路施設の保有と整備・管理運営を区分する上下分離方式が採用されている高速道路の現状に対しては、「高速道路会社が造った道路と借金は最終的に保有機構が引き受けてくれるということで、高速道路会社に道路を造るリスクはない。当初の民営化(の理念)はまさに看板倒れだ」などを痛烈に批判した。
一方で、高速道路を整備していく上での優先順位について、「(道路ネットワークの)ミッシングリンクをどうつないでいくかが最優先に考えていかなくてはならないポイントだ」との認識を示した。
新設する検討組織には、道路問題に詳しい馬淵澄夫国交副大臣が事務局長として加わる見込み。ただし、初会合や取りまとめの時期、有識者の人選など詳細は今後詰めていく方針だ。
提供:建通新聞社