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2010/01/26

改正建築基準法の運用を改善 適判物件に対する審査期間の半減目指す 国交省

 国土交通省は、建築確認検査の厳格化を柱とした改正建築基準法の運用を改善する方針を固めた。確認審査と構造計算適合性判定(適判)審査の並行審査を可能にするとともに、計画変更手続きが不要な「軽微な変更」の範囲を広げるといった幅広い取り組みによって、これまで約70日間を要していた適判対象物件の審査期間を半減させる考え。3月末に関係省令や告示を公布し、6月に施行する。
 今回の運用改善は、建築確認審査の現状を2009年10月から11月にかけて建築関係団体などからヒアリングしたところ、依然として多くの課題が残っているとの指摘が寄せられたため実施することにした。改善のポイントは、▽確認検査の迅速化▽申請図書の簡素化▽違反設計の厳罰化―の3点に大別される。
 確認検査の迅速化に当たっては、構造関係の確認検査を終える前でも適判が行えるようにする。また、計画変更申請が不要な「軽微な変更」は、これまで安全性が低くならないものだけを対象としてきたが、これを「建築基準関係規定に適合することが明らかな一定の変更」とし、適用範囲を広げる。技術的助言によって、適用可能な事例を具体的に示す。
 確認申請図書の誤記や記載漏れに加え、記載しようとした事項が合理的に推測される不備についても、審査側による補正の対象とする。さらに、大臣認定変更手続きの期間も短縮する。
 こうした取り組みを徹底するため、適判対象物件の審査期間(現在は約70日)を半減させる審査期間短縮目標を設定した上で、都道府県や特定行政庁が建築行政で取り組むべき事項などを示す10年度からの10カ年長期計画「建築行政マネジメント計画」(仮称)の策定指針に盛り込む。
 申請図書の簡素化をめぐっては、確認申請図書のうち構造計算概要書を廃止。また建築設備に関する図書のうち、非常用照明装置や水洗便所の構造詳細図を提出不要とするとともに、配管設備や換気設備の構造詳細図を簡素化する。さらに建築材料(防火材料・シックハウス建材)や防耐火構造、防火設備などについて大臣認定データベースへの登録を義務化することで、確認申請時の大臣認定書写しの添付省略を徹底する。
 違反設計の厳罰化に向けては、「建築行政マネジメント計画」(仮称)の策定指針に中間・完了検査の徹底、違反建築物対策の推進を明記し、都道府県などによる違反設計への処分を徹底する。また、国が広範なサンプル調査を実施し、違反建築物のあぶり出しに努める。
 このほか、住宅性能評価や長期優良住宅の認定に必要となる申請図書を簡素化することや、小規模な木造戸建て住宅(4号建築物)に対する建築確認検査の特例(4号特例)を当分の間維持することも決めた。