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2010/01/26

10年度の建設投資は37兆円 33年前の水準に 建設経済研究所まとめ

 2010年度の建設投資(名目値)は、前年度に比べ10・4%減の37兆6900億円と1976年度当時の水準まで落ち込む見通しであることが、建設経済研究所などのまとめで分かった。公共事業費の大幅な削減により政府建設投資が過去最大の下げ幅を記録することに加え、個人の所得・雇用環境や企業の設備投資意欲が大幅に改善する可能性は低く、民間住宅投資や民間非住宅投資も低迷が続くとみられるためだ。
 09年度の建設投資は前年度比10・9%減の42兆0700億円となる見通し。政府建設投資は2次にわたる補正予算の影響で8・1%増の18兆8000億円となる。しかし民間住宅投資は、住宅着工戸数が76万86000戸と80万戸割れが確実な見通しであることから20・5%減の12兆6600億円に減る。民間非住宅建築投資も、設備投資意欲の減退によって23・7%減の10兆6100億円へと大幅に落ち込むとした。
 10年度は、減少幅が大きい09年度の実績からさらに10・4%減の37兆6900万円となる見通しだ。
 10年度の政府建設投資は、09年12月に閣議決定した10年度政府予算案で国の公共事業関係費の伸び率が18・3%減となっていることや、「10年度地方財政収支見通し」で地方単独事業の投資的経費の伸び率が15%減になっていることなどを踏まえ、20・9%減の14兆8800億円とした。
 民間住宅投資は、贈与税非課税枠の拡大や住宅版エコポイントの導入といった支援策の効果により、住宅取得マインドはある程度回復に向かうものの、貸家や分譲の供給意欲は大きく改善せず、0・2%増の12兆6900万円と低水準で推移する見込みだ。
 民間非住宅建設投資をめぐっても、設備投資の先行指標とされる機械受注で下げ幅の拡大がみられ、建設投資の回復までは時間がかかる可能性が高いことから、大幅なマイナスとなった09年度から4・6%減の10兆1200億円になるとした。
 「建設経済モデルによる建設投資の見通し」は、建設経済研究所と経済調査会が四半期ごとにまとめて公表している。