2010/01/18
直轄事業負担金制度の廃止に向けた工程表(素案) 10年度の地方負担軽減額は1570億円
直轄事業負担金制度の廃止に向けた工程表(素案)が14日にまとまった。2009年度分の直轄事業負担金については予定額通知の内容を見直し、詳細な内訳書を1月中に示す。18日に召集する通常国会には10年度から維持管理負担金を原則廃止するための法案を提出。直轄事業負担金の業務取扱費も全廃する。こうした見直しによる10年度の地方負担軽減額は1570億円に上る。直轄事業負担制度自体の廃止は13年度を予定している。
工程表(素案)は、財務・総務・国交・農水の各省政務官で構成する「直轄事業負担金制度等に関するワーキングチーム」が策定した。
それによると、09年度分の直轄事業負担金については、不透明と指摘された当初の予定額通知の内容を見直し、国の職員の退職金や営繕宿舎費を請求額から除く。全国知事会にこうした考え方を示し、了承が得られれば今月中にも詳細な内訳書と請求書を都道府県などに送付する。
通常国会に提出を見込む維持管理負担金の廃止法案は維持管理負担金制度を10年度から廃止することを明記。ただし、経過措置として10年度に限り、安全性にかかわる特定事業に必要な費用は、その対象を明確化した上で負担金を徴収する。地方の負担額は579億円を想定しており、これを除いた780億が軽減される。直轄事業負担金の業務取扱費は新設・維持管理を問わず全廃する。これによる軽減額は新設586億円、維持管理204億円の計790億円となる。
農水省が所管する土地改良事業の維持管理負担金は、10年度から農業者などの受益者負担は維持しつつ、都道府県負担分を廃止する。
新設を含めた直轄事業負担金制度そのものの在り方をめぐっては、13年度までの廃止を視野にワーキングチームが政府の地域主権戦略会議での議論を踏まえ検討を進めていく。