建設業者の倒産や事業縮小によって、公共施設の維持管理や災害・除雪への対応に支障が生じるとの懸念を抱いている都道府県の割合が約4割に達することが、国土交通省のまとめで分かった。このような事態に対応するため、総合評価方式で機械の保有や災害協定の締結、災害対応実績などを地域貢献度として評価・加点するといった取り組みに乗り出す都道府県が増えているという。
こうした実態は、2009年11月に全国8ブロックで開いた「09年度下半期監理課長等会議」での議論の中で明らかになった。
各都道府県担当者に地域建設業の景況についてヒアリングしたところ、「公共事業の前倒し発注や緊急保証制度などの効果により持ち直しの動きはみられるものの、依然として厳しい状況が続く」との意見が数多く出された。
また、これまで建設業が担ってきた公共施設の維持管理や災害発生時の対応、除雪・融雪への対応などに関する現状と課題を話し合ってみると、都道府県の約4割から「支障が生じる恐れがある」との報告があった。原因として「建設業者の倒産、事業縮小などによる保有機械の減少や技能者のリストラ」などが挙がった。その対応策については、総合評価方式で、災害に活用可能な機械の保有や自治体との災害協定締結、維持管理業務の受注、災害対応実績などを評価・加点している団体が多く、契約ゾーンを広域化するなど発注方法を見直したところもあった。
提供: 建通新聞社