2010/01/05
国交省 2010年度予算案の公共事業関係費は15・2%減と過去最大の下げ幅 社会資本整備総合交付金(仮称)を創設
国土交通省の2010年度予算案は前年度当初予算比12・2%減の総額5兆5846億円(一般会計)となった。このうち、公共事業関係費は前年度当初予算額に比べ15・2%減の4兆8585億円と過去最大の下げ幅まで削り込んだ。また、地域主権の確立に向けて社会資本整備関係の補助金を「社会資本整備総合交付金(仮称)」に集約した。一方で、港湾・空港の国際競争力強化や観光立国の推進には予算を重点配分するなど、鳩山政権の基本姿勢を色濃く反映させた内容となった。
政権交代後初めての編成となった10年度予算案は、▽公共事業関係費の大幅な削減▽地域主権の確立に向けた予算制度の抜本的な見直し―などを柱に、前政権までの既存予算を抜本的に見直した点が最大の特徴。高速道路無料化の社会実験費用を圧縮したことや、事業仕分けを経た予算査定によって予算の計上見送りや縮減が相次いだことで、一般会計総額は前年度に比べ7726億6800万円の減となった。09年10月の概算要求時点と比べても約6000億円の減と大幅にマイナスした。公共事業関係費は、道路整備の事業個所数を2割以上削減したり、ダム事業の再検証で事業個所を絞り込むことなどによって、前年度に比べ8739億円の減額とした。
予算制度の抜本的な見直しに当たって、総額2兆2000億円の「社会資本整備総合交付金(仮称)」の創設を盛り込んだ。この交付金は道路、治水、海岸、まちづくり、下水道、住宅、港湾といった分野の国庫補助金を原則廃止した上で、▽活力創出基盤▽水の安全・安心基盤確保▽市街地整備▽地域住宅支援―の4分野について、地方自治体が国費を自由に充当できる仕組みを想定している。
また、直轄事業負担金のうち維持管理負担金を10年度から廃止するとともに、退職手当てや営繕宿舎費といった業務取扱費の地方負担も全廃する。ただし、経過措置として維持管理のうち特定事業に要する経費は10年度に限り徴収する考えだ。
提供:建通新聞社