2009/12/24
国交省 社会資本整備に活用できる地方自治体向けの交付金を創設へ 前原国交相が表明
前原誠司国土交通相は22日の会見で、2010年度予算案の中に自治体の創意工夫で社会資本整備などに活用できる新たな交付金を農林水産省と共同で創設する方針を表明した。今月16日に民主党が政府に提示した10年度予算の重点要望に対応した措置で、国交省分の予算規模は約1・1兆円を想定している。
民主党の重点要望は、全国から民主党に寄せられた陳情・要望を集約したもの。この中で公共事業をめぐっては「既存の直轄・補助事業を見直し、自治体の創意工夫で社会資本整備をはじめとして原則として自由に使える、1・1兆円を上回る規模の使い勝手のよい新たな交付金を国土交通省・農林水産省において創設する」ことが明記された。
前原国交相はこうした動きについて「もともと民主党のマニフェストには地方分権のための一括交付金化が記されており、総選挙で訴えてきたことにも合致する」と同調し、国交省として新たな交付金を創設する意義を強調した。新たな交付金の対象は、道路・河川・都市整備・下水道・港湾などの補助事業となる見込みだという。
また、高速道路会社による高速道路整備を推進するため、いわゆる「新直轄方式」を廃止する考え方が重点要望に盛り込まれたことについては、「これまでの我々の取り組みとはまったく違う考え方であり、10年度予算での対応はとても無理だ」と述べた。その一方で「11年度予算の概算要求までには高速道路整備の在り方を抜本的に見直す」との方針を鳩山首相に伝えたことを明らかにした。
さらに09年度補正予算の見直しで凍結された高速道路6路線の4車線化に関して前原国交相は、「施工方法や施工主体を見直すとともに、優先順位を付けて着手するものの選定作業を行っている」と説明した。
<a href=”http://www.kentsu.co.jp/” target=”_blank”>提供:建通新聞社<