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2009/12/17

現行の水資源管理制度を一括化する「水循環基本法」超党派の議員連盟で法制化目指す

 超党派の国会議員と民間有識者で構成する水循環基本法研究会(共同座長代表・中川秀直衆議院議員)は15日、6省庁8セクションに分かれている現行の水資源の管理制度を一括化して総合的に推進することなどを目指した水循環政策大綱案と同基本法案要綱を決定した。同日会見した中川代表は、「縦割り行政が続けば『生命の水』は危機に陥る」と述べ、個別目的ごとに制定されている水関係の法体系全体に適用される「水循環基本法」の制定を目指す方針を述べた。2010年2月に超党派の「水制度改革議員連盟(仮称)」を設立し、議員立法として法案を早ければ次の通常国会に提出する。
 大綱案では、水循環系を水量・水質・生態系の面から持続可能なシステムに再構築し、健全な水循環型社会の創出を目指すため、「水循環基本法の制定」と「行政組織の再編と流域住民との協働」の必要性を指摘。
 これを踏まえた基本法の要綱案では、基本的施策として、▽ダムなどの洪水調節施設と河道で処理する従来の治水から、河川流域全体で洪水対策を行う流域治水に転換▽雨水の浸透・貯留機能の保全・回復、雨水の利用▽河川横断構造物による上下流分断の修復と、淡水・沿岸漁業の復活、海浜の保全▽第三者機関による公正な水環境監視▽河川と森林との統合管理の推進▽水道と水循環保全施設の流域圏統合経営の推進▽老朽化施設の更新・機能の向上、異常渇水や震災などに備える非常時対応―などを挙げている。
 併せて、内閣府の外局として水循環庁を設置し、水循環に関係するすべての行政組織を統合することを提案。将来的には、関係自治体で組織する統合的管理主体である「流域連合」を設置し、権限を移譲する。
 中川代表は、「民主党を含む超党派と民間有識者の方々で1年4カ月かけて真剣に議論した結果を実現しなければならない」と、法制化に強い意欲を示した。

提供:建通新聞社<