国土交通省は、整備新幹線の建設で、安定的な財源を確保する観点から、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)など民間資金の活用策も検討することにした。政務三役で構成する「整備新幹線整備問題検討会議」の初会合を15日に開き、整備新幹線の整備に関する基本方針を策定、その中に盛り込んだ。今後の事業の進め方では、既着工区間は予定通りの完成・開業を目指して着実に事業を推進する。一方、未着工区間は、費用対効果や沿線自治体の取り組みなどを検証した上で、着工の優先順位を決める考えだ。
同検討会議は、整備新幹線の整備の在り方などを検討するために設置した。前原誠司国交相を筆頭に国交省政務三役全員が参加している。
初会合で示された基本方針によると、整備新幹線の整備方式はJRが自ら建設する場合を除いて、鉄道・運輸機構が鉄道施設を建設・保有し、JRが鉄道事業を運営する「上下分離方式」を前提とする。建設財源には、まず機構の貸付料収入を充て、残る経費を国と地方公共団体が2対1の割合で負担する。加えて、PPPなどによる民間資金の活用についても検討することにした。
着工に当たっては、▽安定的な財源見通しの確保▽収支採算性▽投資効果▽営業主体としてのJRの同意▽並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意―といった基本的な条件が整っているかどうかを確認する。
当面の整備方針として、既着工区間は予定通りの完成・開業を目指して着実に整備を進める。この際、入札・契約手続きの改善により工事費の圧縮に努め、建設物価の上昇による工事費の増額に備える。
一方、未着工区間をめぐっては、費用対効果(CO2削減効果を含む)や沿線自治体の取り組みなどを十分に検証し、着工の優先順位付けを検討する構え。その上で、安定的な財源見通しの確保をはじめとした基本的な条件が確認できれば、着工につなげていく。
提供:建通新聞社<