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2009/12/15

国交省成長戦略会議 関西3空港や首都圏空港の成長戦略を議論

 国土交通省は14日に成長戦略会議を開き、今後の空港戦略の在り方について関係自治体から意見を聞いた。この中で、大阪府の橋下徹徹知事は「関西国際空港のハブ化には、伊丹空港の廃港と高速鉄道ネットワーク整備が不可欠」と強調。これに対し、兵庫県の五百蔵俊彦副知事は「関空、伊丹、神戸の3空港を一つの空港群として一体的に運用すべき」と応じ、前原誠司国交相も「伊丹空港のニーズは高い」と廃港には否定的な見解を示した。一方、神奈川県の松沢成文知事は首都圏空港について「成田・羽田の一体化が日本をよみがえらせる」として、両空港をリニアで接続することを提案した。
 今回の成長戦略会議では、主に航空ネットワークの中核となるハブ空港の実現に向けた課題や戦略の在り方について、関係自治体からヒアリングした。
 大阪府の橋下知事は、関西3空港の一つである伊丹空港について「リニア中央新幹線が開通すると、伊丹空港の存在意義は自然に低下する」と述べ、2035年を見込むリニア中央新幹線の開通に合わせた廃港を主張。その際に伊丹空港の機能を関空に集中させる手段として、大阪都心と関空を結ぶ「関空リニア」を整備し、大阪都心と関空を7分、東京都心と関空を1時間で接続するプロジェクトを提案した。
 こうした主張に対し、兵庫県の五百蔵副知事は「5本の滑走路を持つ関西3空港が一つの空港群を形成すれば、関西の航空需要を最大化する航空ネットワークが構築できる。これを首都圏空港と並ぶ2大ハブ空港として、関西の浮揚につなげるべきだ」として、3空港の経営一元化などを訴えた。
 一方、神奈川県の松沢成文知事は首都圏空港のハブ化をめぐり、「利便性などの点で、成田・羽田は単独ではハブ空港になり得ない」との認識を示した上で、成田空港と羽田空港をリニアで結ぶ「成田〜羽田超高速鉄道整備構想」を提案した。この構想によると、完成後には成田・羽田の所要時間が現在の約90分から約15分へと大幅に短縮される。また、概算事業費が約1兆3000億円と見込まれるのに対し、経済波及効果は2兆9000億円に達する計算だという。

提供:建通新聞社<