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中央ニュース

2009/12/09

下請建設業に新たな金融支援策 緊急経済対策に盛り込む

 政府が8日に閣議決定した緊急経済対策の中に、下請建設業などの経営を支えるための金融支援策が盛り込まれた。国土交通省が本年7月からスタートさせた「下請資金繰り支援事業」の仕組みを活用するもので、下請けが持つ売掛債権の支払いをファクタリング(債権買取)会社が保証する際、国が保証料の一部を助成するとともに、元請けが倒産した場合の損害を補償する。国費47億円の計上を想定している。現在、国交省と財務省が詰めの作業を進めており、2009年度第2次補正予算案の閣議決定を見込む15日までに制度設計を固める方針。運用開始時期は年明け以降となりそうだ。
 下請建設業に対する金融支援をめぐっては、国交省が09年度第1次補正予算に国費96億円を計上し、ファクタリング会社が下請けが持つ手形などを買い取る「下請資金繰り支援事業」を創設した。しかし、新政権による補正予算見直しによって、10年度執行分の59億円が削減となった経緯がある。
 ここにきて政府は、公共事業の削減と民間建設投資の冷え込みの影響で元請けの倒産が増加することを懸念。あらためて下請建設業の債権保全にポイントを絞った金融支援に乗り出すことを決めた。
 今回の支援策は、下請けの建設会社や資材会社が元請けに対して持つ売掛債権について、ファクタリング会社が支払いを保証する際、保証料負担に対する助成や、ファクタリング会社のリスクを軽減するための損失補償を行おうというもの。
 下請資金繰り支援事業では、債権買い取りの対象が実質的に手形に限定されていたが、新たな制度では信用保証という形式を採ることで、幅広い債権をカバーできるようになる。下請資金繰り支援事業も並行して運用していく。

提供:建通新聞社<