帝国データバンクがまとめた10月の景気動向調査結果によると、建設業の景気動向指数(1〜100で示し、50が良い・悪いの判断の分かれ目)は、前月と比べ0・1ポイント減の22・3と2カ月連続で悪化した。同社は「新政権による2009年度補正予算見直しの動きや長期化している民間設備投資の低迷」が悪化の要因と分析している。
産業全体の平均指数は前月比0・2ポイント増の24・9と8カ月連続で改善した。地域別では南関東を除く9地域で改善。規模別では、大企業と中小企業がわずかに改善する一方、小規模企業は受注減などの影響で5カ月ぶりに悪化した。同社は今後の見通しについて、「補正予算の見直しは企業や消費者心理の悪化を通して内需の委縮につながる恐れもあり、今後の国内景気は回復過程の中での踊り場局面が長引く可能性もある」としている。
建設業者に景況感の判断理由を尋ねてみると、「前内閣の補正予算の効果が出ている」(土木工事)と公共工事の受注増をうかがわれせる回答が寄せられる一方、「型枠工は仕事が全くなく、同業者の倒産、廃業が進んでいる。創業して30年になるが、過去に遭遇したことのない厳しい状況に直面している」(内装工事)といった声もあった。
一方、不動産業の景気動向指数は前月比0・5ポイント減の26・9だった。不動産業者からは、「消費者の購買意欲が盛り上がりに欠ける」(建物売買)、「企業の設備投資意欲が低迷しており、特に産業団地分譲が進んでいない」(土地売買)と悲観的な意見が目立った。
提供:建通新聞社