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2009/10/27

国交省成長戦略会議の初会合 建設業の国際展開などテーマ 11年度概算要求に反映

 国土交通省は26日、所管産業の国際競争力強化に向けた施策の在り方を検討する「国土交通省成長戦略会議」の初会合を開いた。前原誠司国交相は「国交省所管の産業分野には成長余力が潜んでおり、これを伸ばしていくことが国の発展につながる」と述べ、観光立国の実現や建設業などの国際展開に向けた政策の検討を要請。戦略会議は6月までに最終報告をまとめ、その成果は2011年度予算の概算要求に反映される見込みだ。
 この会議は、人口減少や少子高齢化、長期債務といった日本が抱える課題の解決に向けて、日本の国際競争力を高めるための成長戦略を構築することが狙い。当面の検討課題として、@海洋国家日本の復権A観光立国の推進Bオープンスカイ(航空自由化)C建設・運輸産業のさらなる国際化―の4テーマを据えた。
 初会合の中では、座長を務める武田薬品工業の長谷川閑史社長が「日本の成長戦略」について自らの考え方を示し、「部分最適は得意だが、全体最適が不得手な国民性が合成の誤謬(ごびゅう)を生んでいる。求められるのは量的成長戦略と質的成長戦略のバランスだ」などと指摘した。
 その上で、量的成長戦略の一つの視点として「日本には新幹線や原子力発電、地下鉄システム、水浄化・再処理システムといった優れた技術がたくさんある。これらを官民一体で海外に売り込んでいくことが必要」と強調。また、質的成長戦略をめぐっては「地域を活性化するには企業誘致も大事だが、農林漁業や観光業といった各地域に存在する産業の足腰を強くして雇用を創出していかなければならない」などと述べた。

提供:建通新聞社