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2009/10/28

前原国交相 八ツ場ダム問題で事業の再検証を表明

 前原誠司国土交通相は27日の会見で、事業中止を明言していた八ツ場ダムをめぐり「地元住民との対話を実現するため、他のダム事業と同様に(建設の是非を)再検証する」と従来の方針を一部転換する考えを表明した。今後は八ツ場ダムを含めたダム事業の再検証のための専門チームを立ち上げ、ダム事業の前提となる河川整備基本方針・整備計画の在り方や、ダム事業を継続した場合と中止した場合のコストなどを検証した上で、最終的な結論を出す考えだ。
 前原国交相は方針転換に至った理由について、「建設中止と推進のはざまで地元住民が苦しんでいるのは心苦しい。この現状を打開するため、新しい提案を行うことにした」と説明した上で、「予断を持たずに再検証していく」と述べた。
 ただし、一方で「(中止を明記した)マニフェストの方針は堅持する」「できるだけダムに頼らない方向に、河川整備そのものの思想を変えていく」などと強調し、今回の方針転換が必ずしもダム事業の継続に結び付くものではない点にくぎを刺した。
 ダム事業をめぐっては国交省が10月、10年度は実施主体を問わず事業の完成度合いなどを見極めた上で、10年度予算案の提出時までに凍結・継続などの対応方針を示す考え方を示している。八ツ場ダムはこの中で凍結事業に位置付けられた上で、専門家チームによる再検証を受けることになる。

提供:建通新聞社