2009年度の建設投資(名目値)は、前年度に比べ8・6%減の43兆1900億円と1978年以来の45兆円割れが確実な見通しであることが、建設経済研究所などのまとめで分かった。09年度補正予算の一部執行停止で政府建設投資の伸びが抑えられたことに加え、住宅着工戸数が歴史的な低水準を記録し、民間設備投資も低調なためだ。さらに10年度の建設投資は、概算要求段階で公共事業費が大幅に削減されたことなどから、多く見積もっても前年度比3・7%減の41兆6000億円まで落ち込む見通しだ。
09年度の政府建設投資は、補正予算の一部執行中止により、前回7月時点での予測より7900億円減少し、前年度比6・8%増の18兆5700億円になると予測。内訳は建築が34・7%増の2兆6400億円、土木が3・2%増の15兆9300億円。
一方、10年度の政府建設投資は、公共事業費の削減を見据え13・6%減の16兆0400億円とした。ただし、この予測は新たな概算要求の発表前にまとめたもので、公共事業費の削減額を3500億円と仮定している。実際の削減額はさらに増えることが確実であり、これを計算に入れると、前年度比16・5%減の15兆5000億円となる見通しだ。
09年度の民間住宅投資は、前年度比4・6%減の13兆7700億円と予測。住宅ローン・贈与減税の下支えはあるものの、雇用・所得環境の悪化で09年度の住宅着工数が13・8%減の89万6000戸となる見込み。10年度は前年度の反動などで7・6%増の14兆8200億円になるとみている。
民間非住宅建設投資については、設備投資の先行指標とされる機械受注に下げ止まりの兆しが見られないことなどから、09年度は22%減の10兆8500億円まで下落する。10年度も1%減の10兆7400億円と低水準が続く見通しだ。
「建設経済モデルによる建設投資の見通し」は、建設経済研究所と経済調査会が四半期ごとにまとめて公表している。
提供:建通新聞社