国土交通省は今後のダム事業の進め方として、国や水資源機構が用地買収や生活再建工事などを現在行っている事業について、2009年度内はそれぞれ事業の次の段階には進まず、次の段階に入る新たな工事の契約や用地買収などを凍結することを決めた。沙流川総合開発とサンルダム、思川開発、木曽川水系連絡導水路、小石原川ダム、山鳥坂ダムの6事業が対象となる。一方、国が補助し道府県が実施するダム事業の扱いは、知事の判断を尊重することにした。しかし、10年度のダム事業については実施主体を問わず事業の必要性などを見極めた上で、10年度予算案の提出時までに対応方針を示す考え。前原誠司国交相が9日の会見で明らかにした。
事業の新たな契約などを凍結するダム事業は、国と水資源機構が実施している56事業のうち、既存施設の機能向上を行っている8事業を除く48事業の中から決めた。@用地買収A生活再建工事B転流工C本体工事―の各段階で、次の段階に入る契約を行わない。
道府県が実施する87事業については、工事を発注するかどうかを含め各知事の判断を尊重する。ただ、前原国交相は会見の中で「地方自治体のダム事業はそれぞれの判断となるが、補助を出すかどうかは我々の判断。事業見直しの中で知事と相談する場面も出てくるかもしれない」と述べ、10年度から国庫補助の取りやめや削減の可能性があることを示唆した。
本年度に完成する6事業と中止する1事業を除いた計136事業の10年度の取り扱いをめぐっては、10年度政府予算案の提出時までに基本方針を明らかにするとした。
こうした考え方を9日付で関係道府県や地方整備局などに通知した。
提供:建通新聞社