馬淵澄夫国土交通副大臣は6日の就任会見で、低迷する建築着工について「厳しい状況に大変憂慮している」との認識を示しつつ、2007年6月施行の改正建築基準法見直しに向けた検討を関係部局に指示したことを明らかにした。また、新政権が掲げる公共事業の抜本的な見直しが建設業に与える影響をめぐっては「理不尽な形で(建設)産業が淘汰(とうた)されることは断じてない」と強調し、「意欲ある業者が競い合いながら成長していく“創造的な公共事業”の在り方を検討していく」と述べた。
国交省の建築着工統計調査報告によると、8月の新設住宅着工戸数は季節調整済年率換算値で67万6000戸と初めて70万戸を割り、統計を開始した65年以降で過去最低を記録した。
こうした状況を踏まえ馬淵副大臣は、優良な住宅ストックの確保やリフォームの推進とともに、建築確認手続きを厳格化して建築生産の現場に混乱を引き起こした改正建築基準法の見直しをあらためて打ち出した。制度設計の具体化に当たっては、「現場での不満などを把握した上で、無用の混乱を招かないような形で見直していく」方針だ。
今後の社会資本整備の在り方を問われると、馬淵副大臣は「公共事業がどうあるべきかが大前提となる。国幹会議の廃止や事業評価の抜本的な見直しなどによって、新たな公共事業のプロセスを形作っていかなければならない」と強調。こうした取り組みを経て、入札契約制度改革やダンピング対策の検討を進める方針を示した。
提供:建通新聞社