帝国データバンクは、9月の全国企業倒産集計をまとめた。それによると、建設業の倒産件数は前年同月と比べ26・4%減の217件、不動産業の倒産件数は17・5%減の33件と、いずれも大幅に減少した。ただし、今後の倒産動向について同社は、「倒産増加につながる懸念材料は山積しており、小規模企業を中心に年末を挟んで高水準で推移する」とみている。
全産業の倒産件数は前年同月比15・7%減の946件、負債総額は93・3%減の3580億2900万円。倒産件数を主因別に見ると、不良債権の累積や業界不振など「不況型倒産」は13・4%減の774件となった。また地域別では、中部を除く8地域で倒産が減った。特に、北海道(47・4%減)や四国(40・6%減)の減少が目立った。
同社は倒産増加の懸念材料として、▽補正予算の一部執行停止など新政権の政策転換が建設業などに与える影響▽資金需要が高まる年末にかけての中小企業の資金繰り悪化―などを挙げている。
提供:建通新聞社