2009/10/06
9月の景況感 建設業は4カ月ぶりに悪化 補正予算執行停止の動きが影響 帝国データバンク調べ
帝国データバンクがまとめた9月の景気動向調査結果によると、建設業の景気動向指数(1〜100で示し、50が良い・悪いの判断の分かれ目)は、前月と比べ0・7ポイント減の22・4と4カ月ぶりに悪化した。この要因について同社は「民間の設備投資が抑制傾向にある中で、新政権による2009年度予算の執行停止の動きなどがある」ことに言及している。
産業全体の平均指数は前月比0・2ポイント増の24・7で7カ月連続の改善。不動産業も前月比1・4ポイント増の27・4と改善した。地域別では、前月が10地域すべてで業況が改善したのに対し、今月は6地域の改善にとどまった。規模別では、大企業と中小企業が改善し、小規模企業は横ばいとなった。同社は景気の先行きについて「雇用環境や消費、設備投資動向など不透明要素が大きく、踊り場局面を迎える可能性もある」とみている。
建設業者に景況感の判断理由を尋ねてみると、「官公庁物件も民間物件もダンピングがひどく、受注した時点で赤字が確定するような状態」(電気配線工事)、「官庁発注物件は入札前の公表価格が実勢の原価に等しいにもかかわらず、8割台の応札がある異常な状況」(管工事)と、多くが競争の激化による低価格受注の横行を問題視した。また、「公共工事の予算執行停止」(建設)の影響を指摘する声もあった。
不動産業者からは、「価格が下がっているが、その分販売は順調」(不動産売買)、「顧客が今買うことが有利だと感じ始めている」(前同)と、不動産市況の底打ちをうかがわせる声が上がる一方、「販売在庫は減少傾向にあるが、依然完成在庫は多い。まだまだ価格調整が続くと考える」(不動産仲介)といった悲観的な見方もあった。