2008年度に地方整備局(港湾空港関係を除く)が契約した調査・設計業務のうち、低入札価格調査の対象となった業務は19・7%に当たる1296件と前年度に比べ6・5ポイント増加したことが、国土交通省のまとめで分かった。落札率は3・1ポイント減の78・1%に下がった。調査・設計業務の契約実績は、件数が前年度比9%減の1万3593件、金額が7%減の2924億円に落ち込んだ。このことが競争の激化を招き、低入札に拍車を掛けたものとみられる。
こうした実態は、国土交通省が30日に公表した2008年度「直轄工事等契約関係資料」で判明した。
工事の契約実績を見ると、件数は前年度比2%減の1万0964件だったものの、金額は2次にわたる補正予算編成によって14%増の1兆6867億円と増加した。低入札価格調査の対象となった案件は4・7%に当たる492件と前年度よりも0・8ポイントの増加にとどまり、落札率は0・7ポイント増の90%とわずかながら前年度を上回った。特別重点調査の対象工事は18件あり、そのすべてが必要な資料の提出を行わなかったなどの理由で無効となった。
工事の場合、08年4月に低入札調査基準価格の算定方式を見直したことや、調査基準価格を下回った場合に加算点が引き下げられる施工体制確認型総合落札方式が普及したことで、低入札に一定の歯止めが掛かった。
一方、調査・設計業務の低入札対策をめぐっては、国交省が08年12月に低入札時の第三者照査の実施などを打ち出したものの、今回の調査結果を見ると改善が進んでいないのが実態だ。こうした状況を問題視し、建設コンサルタンツ協会は本年8月、工事で導入している施工体制確認型総合評価落札方式と同様の低価格入札防止措置を業務委託分野にも導入するよう国交省に要望している。
提供:建通新聞社