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2009/09/09

国交省 エレベーターの安全確保対策を強化  保守管理業者選定のガイドライン作成など

 国土交通省は、エレベーターの安全確保に向けた取り組みを強化する方針を固めた。9月28日施行の建築基準法に基づく施行規則改正に合わせ、保守点検マニュアルに盛り込むべき内容を明確化するとともに、必要なリスク情報や維持管理に必要な情報の開示を製造事業者に求める。また、建築物の所有者や管理者向けに、保守管理業者の選定や保守管理契約の締結に当たっての留意事項などを盛り込んだ指針を2009年度中に作成する考えだ。
 国交省は06年6月に東京都港区で起こったエレベーター死亡事故や地震による閉じ込め事故を受けて、▽建築基準法に基づく定期検査・報告制度の見直し(08年4月1日施行)▽保守点検内容の図書提出の義務付け(09年9月28日施行)▽新設エレベーターへの戸開走行保護装置の設置義務付け(前同)―などの再発防止策を講じてきた。今回、シティハイツ竹芝エレベータ事故調査報告書にエレベーターの安全確保に向けた意見が盛り込まれたことから、国交省はさらに対策を推進していくことを決めた。
 今後の取り組みとしては、まず事故機と同種の構造を持つシンドラー社製エレベーターについて再度の安全確認を行うとともに、他社製のエレベーターでも事故機と同種の構造の有無を調査する。
 また建築基準法施行規則の改正で9月28日から建築確認申請時に保守点検マニュアルの添付が義務付けられることを踏まえ、ブレーキなど安全にかかわる装置の構造や調整方法、作業手順、部品の交換基準などをマニュアルに盛り込むよう通知する。既設のエレベーターについても建築物の所有者や管理者に保守点検マニュアルを開示・提供するよう製造事業者に求める。
 さらに、建築物の所有者・管理者がエレベーターを適切に保守管理できるよう、国交省が保守管理業務の契約実態を把握した上で、保守管理業者の選定や保守管理契約の締結に際しての留意事項などを盛り込んだ指針を09年度中に作成し、その普及・啓発を推進する方針だ。このほか、既設エレベーターにも対応できる戸開走行保護装置の技術開発などにも取り組んでいく。

提供:建通新聞社