鉄砲水で作業員4人が流され死亡した沖縄県那覇市の事故を受けて国土交通省は21日、下水道工事などに際し、大雨に伴う急激な水位上昇に対する安全対策を徹底するよう各都道府県・政令市などに要請した。相当な降雨が予想される場合には、原則として工事を中止することなどを盛り込んだ「集中豪雨等に対する下水道工事の安全対策について」(2008年8月通知)の趣旨に沿った対応を求め、管内市町村にも周知徹底を呼び掛けた。
今回の要請のきっかけとなった事故は、那覇市で8月19日に発生。水路の改修工事のために耐力度調査などを行っていた作業員が急激に増水した川に流され、4人が命を落とした。同様の事故は08年8月にも東京都豊島区で起こっており、その際には下水道工事中の作業員が流され5人が死亡した。
こうした状況を重くみて国交省は、08年8月に各都道府県などに通知した▽雨量データなどの情報を工事現場で速やかに取得できる体制を構築する▽請負者が提出する施工計画書の内容について、集中豪雨時の対応などの安全管理対策を十分に検討されているかどうかを確認し、必要に応じて安全管理対策の検討を指示する▽集中豪雨が発生した際の作業員の退避行動(情報の伝達体制などを含む)について事前確認する―などの徹底を改めて要請した。
提供:建通新聞社