帝国データバンクは、7月の全国企業倒産集計をまとめた。それによると、建設業の倒産件数は前年同月と比べ1・2%減の320件、不動産業の倒産件数は27・9%減の31件だった。マンション分譲会社の倒産は3件で、同社は「大型倒産はほぼ一巡した」とする一方、年末にかけて中小企業の倒産多発リスクが高まるとの見通しを示した。
全産業の倒産件数は前年同月比6・5%増の1204件だったが、負債総額は46・8%減の3405億1600万円と大幅に減少した。倒産件数を主因別に見ると、不良債権の累積や業界不振など「不況型倒産」が9・1%増の970件となった。また地域別では、関東(前年同月比33・1%増)や四国(33・3%増)、中部(28・4%増)で大幅増だったのに対し、北海道(51・7%減)や中国(38・3%減)の減少が目立った。
今後の見通しについて同社は「年末や年度末の資金繰りを乗り切った多くの企業も、本業回復のめどすら立たないまま、借入金の元本返済が始まる11月以降、資金繰りに行き詰まるケースが続発する恐れがある」と指摘し、「元本返済開始と資金需要が増える時期とが重なる年末にかけて、中小企業の倒産多発リスクはさらに高まる」とみている。
提供:建通新聞社