国土交通省がまとめた建設工事受注動態統計によると、建設業の6月の受注高は3兆5577億円で、民間工事を中心に前年同月と比べ20・5%減少した。昨年11月から8カ月連続のマイナスとなっており、この8カ月間で減少幅が20%を越えたのは今回が初めて。2000年の調査開始以来、6月の受注額としても過去最低を記録した。全体のうち元請け受注は前年同月比17・2%減の2兆5256億円、下請け受注は同27・7%減の1兆0321億円。下請け受注は先月と比べ減少幅が10・8ポイント拡大した。
下請け受注を工種別で見ると、土木工事が前年同月比9・4%減の3374億円、建築・建築設備工事が同36・1%減の5863億円、機械装置等工事が同21・5%減の1084億円。特に建築分野での落ち込みが激しい。
受注高全体の業種別の内訳は、総合工事業が同19・6%減の2兆3897億円、職別工事業が同22・3%減の3291億円、設備工事業が同22・5%減の8389億円。
また、元請け受注のうち公共機関からの受注高は同6・3%減の8456億円、民間からは21・7%減の1兆6800億円。工種別では土木工事が21・1%減の7533億円。設備を含む建築工事が16・4%減の1兆5757億円、機械装置等工事が6・4%減の1966億円だった。公共機関からの受注は4カ月ぶりに減少。土木は先月の増加から減少に転じた。
公共機関からの1件500万円以上の受注工事を発注機関別に見ると、国(前年同月比33・7%増)や市町村(同26・7%増)での増加が目立った。前年に大型事業のあった政府関連企業(同37・6%減)の反動減などで、全体では前年同月比4%減の8101億円となったが、経済危機対策の公共事業などにより、民間を合わせた受注全体の底割れに歯止めを掛けている格好だ。
民間からの受注のうち1件5億円以上の建築・建築設備工事は前年同月比35・3%減の3853億円。不動産業(40%減)などの減少が目立った。
提供:建通新聞社