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2009/08/20

官民の境界情報を先行的に把握 国土調査のあり方で国交省の検討会が提言

 国土交通省の「国土調査のあり方に関する検討小委員会」は19日、今後の国土調査の在り方に関する報告書をまとめた。この中では、立ち遅れが目立つ地籍調査の推進に向けて、官民の土地の境界情報を地籍調査に先駆けて広範囲で把握するとともに、民間事業者が実施する測量成果を地籍調査に積極的に活用するよう提案。2010年度からの第6次国土調査事業10カ年計画を策定する際、成果(アウトカム)指標を明確化することも求めた。
 国土調査は国土の開発・保全・利用の促進や地籍の明確化を目的としたもので、調査内容は▽一筆ごとの土地所有者や地番・地目などを調べる「地籍調査関係」▽土地の利用状況や土壌の性質などを調べる「土地分類調査関係」▽陸水の流量や水質・水利を調べる「水調査関係」―に大別される。
 報告書は、国土調査が抱える問題点として、実施主体である市町村などの財政上、人員上の負担の大きさを指摘。その軽減に向けて、地籍調査で国が基本調査として実施する範囲の拡充や、市町村などの調査実施面積の縮小などが必要とした。
 また都市部は土地の取り引きが多く、資産価値が高い上、都市再生をはじめとする土地の有効利用が求められているにもかかわらず、地籍調査の進ちょくが遅れていることを問題視。地籍調査よりも簡易な調査手法の導入を求めた。具体的には、官民の土地の境界情報を地籍調査に先駆けて整備し、その成果を地籍測量図に反映させるよう提案。こうした手法によって、将来的に地籍調査を効率化できる点をメリットに挙げている。
 さらに、地籍調査で民間の能力を活用するため、行政の指定を受ければ調査実施主体を民間団体にも拡大することや、民間の測量成果を地籍調査と同様のものとして指定する仕組みの普及を支援するよう提言した。

提供:建通新聞社