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2009/07/30

建専連 下請債権の保全に「建設業倒産損害補償制度」(仮称)の創設を提案

 建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)は29日に開いた国土交通省との意見交換会で、下請け企業の債権保全策として「建設業倒産損害補償制度」(仮称)の創設を提案した。元請けが倒産した際に下請けの損害を補償する仕組みで、その原資は予定価格の1%前後を発注原価に含むこととし、発注者と元請けで確保するよう求めている。
 元請けの建設業者などが民事再生法などの適用を受けた場合、そこで働く従業員の給料は優先的に保全されるのに対し、下請け業者の債権は労務賃金分を含めほとんど保全されず、連鎖倒産の大きな要因となっている。
 連鎖倒産防止策としては、中小企業庁の「中小企業倒産防止共済制度」や「セーフティネット貸付制度」があるものの、下請け工事請負代金に比べ受け取ることができる融資限度額が少なく、必ずしも使い勝手がいい仕組みとは言い難い。
 また、国土交通省が7月にスタートさせた「下請資金繰り支援事業」は、同省が初めて専門工事業者の金融支援に乗り出した点で注目され、連鎖倒産の防止にも役立つものと期待が寄せられているが、事業期間が2年間に限られている。
 こうした状況を踏まえ建専連では、元請けの倒産時に被る下請けの損害を補償する仕組みを恒久的に構築する必要があると判断し、「建設業倒産損害補償制度」(仮称)の創設を求めていくことにした。
 意見交換会の中ではこのほか、▽若年層の入職促進と法定福利費(の別枠計上)▽基幹技能者の適正評価と活用促進▽発注者・設計者・施工者に専門工事業者を加えた「四者協議」の推進▽元下間の契約適正化の指導―なども要望した。

提供:建通新聞社