5月に建設会社が受注した工事の総額は前年同月に比べ19・4%減の2兆9442億円と7カ月連続で減少し、2000年の調査開始以来5月としては過去最低の水準を記録したことが、国土交通省の調べで分かった。経済危機対策の効果で公共機関からの受注は増えたものの、設備投資の減少やマンション市場の冷え込みなどにより、民間からの受注が大幅に落ち込んだことが響いた。
同省の建設工事受注動態統計調査報告によると、元請け受注高は20・9%減の1兆8294億円、下請け受注高は16・9%減の1兆1148億円。業種別では総合工事業が17・7%減の1兆7984億円、職別工事業が3・5%減の4082億円、設備工事業が29・4%減の7376億円だった。
元請け受注のうち、公共機関からの受注は12・2%増の4779億円だったが、民間などからの受注は28・4%減の1兆3515億円となった。工事種類別では、土木工事が10・5%増の5546億円と増加したのに対し、設備工事を含む建築工事は28・6%減の1兆1207億円、機械装置等工事は36・3%減の1541億円と大きくマイナスした。
公共機関からの受注工事(1件500万円以上)を発注機関別に見ると、独立行政法人や政府関連企業を含めた「国の機関」からの受注は64%増の2057億円、都道府県や市町村など「地方の機関」からの受注は10・1%増の2904億円となった。
民間などからの受注のうち、大型の建築・建築設備工事(1件5億円以上)の受注額は前年同月比61・4%減の1823億円と初めて2000億円を割り込み、調査開始以来単月として過去最低の水準となった。特に不動産業と製造業からの受注が不振を極めた。
提供:建通新聞社