5月の新設住宅着工戸数は6万2805戸となり、1965年の調査開始以来、5月としては最も低い着工戸数になったことが国土交通省の調べで分かった。季節調整済年率換算値は75万8000戸だった。改正建築基準法の影響で大幅に減少した2008年8・9月に次いで過去3番目に低い水準となった前月をさらに2万1000戸下回った。国交省は「所得・雇用環境を考えると、当面厳しい状況が続くだろう」とみている。
国交省が30日に発表した建築着工統計調査報告によると、5月の新設住宅着工戸数は前年同月比30・8%減の6万2805戸となり、6カ月連続で減少した。利用関係別に見ると、持家は14・9%減の2万3139戸で、5月としては調査開始以来最低。貸家は33・3%減の2万5167戸で、5月としては過去2番目に少ない戸数となった。分譲住宅も1万48・1%減の3066戸だった。
分譲住宅のうちマンションは60・3%減の6130戸、一戸建ては27・9%減の6888戸だった。特にマンションは31道県で新規着工がなく、調査を開始した85年以来、5月としては最低の戸数となった。
地域別の新設住宅着工戸数は、首都園が32・3%減の2万1048戸、中部圏が33・3%減の8603戸、近畿圏が26・1%減の9097戸、その他地域が30・3%減の2万4057戸。すべての地域で85年の調査開始以来、5月としては最低の戸数となった。
全建築物の着工床面積は34%減の882万平方bだった。発注者別の内訳は、公共建築主が55・2%減の63万平方b、民間建築主が36・8%減の820万平方b。
このうち民間非居住用の床面積は49・7%減の248万平方bで、データが確認できる86年以来、単月の数値として最低を記録。使途別では▽事務所―30万平方b(57・6%減)▽店舗―42万平方b(48・1%減)▽工場―47万平方b(60・3%減)▽倉庫―34万平方b(51・1%減)―のすべてが86年以来、5月としては最低の床面積となった。
提供:建通新聞社